カテゴリ:断熱性能( 9 )

2014年 12月 29日
断熱性能7 総まとめ
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今日は断熱性能解説シリーズの7回目、1回~6回の総まとめをお話します。
前6回では断熱性能解説、断熱性能と室温の関係、断熱性能と健康性の関係、断熱性能と冷暖房費の関係、断熱性能と工事費についてお話してきました。上の表は今までお話してきた事柄を1枚にまとめたものです。

断熱性能を上げるごとに暖房室と非暖房室の温度差が小さく、また前夜から明朝までの温度低下も小さくなります。それに加え年間冷暖房費も減少します。上の表で示した連暖房費は太陽方位や高度、さらに通風方向などに配慮した窓位置や大きさなど省エネ設計を取り入れた時の金額であり、省エネ設計を行わない場合は上の表に1.5万円を加えた額程度となります。また表の下グラフに示すように断熱性能が上がると住居者の健康性も向上することが分かっています。

上の表に示していない断熱性能と建設コストの関係は、平成11年告示(次世代省エネ基準)を基準としてQ値2.1で30万円UP、Q値1.5では80万円UP程度となります。居室の室温を20℃とすると、廊下や脱衣室などの非暖房室が15℃じゃ寒いよね。朝起きたときは最低15℃くらいをキープしたよね。と考えればおのずと必要な断熱性能が見えてくるでしょう。国の基準だからいいだろうと考え平成11年告示(次世代省エネ基準)の断熱性能で省エネ設計にも取り組んでいない住宅の年間冷暖房費は5万円となります。省エネ設計のQ値2.1住宅なら年間2.5万円、省エネ設計のQ値1.5住宅では年間2万円です。建設時のイニシャルコスト増をQ値2.1住宅では12年で回収できますよね。さらに空調機の交換費用まで考慮するとQ値1.5住宅なら年間5万円のランニングコスト減となるので、建設時のイニシャルコスト増分を16年で回収できるのです。

以上のことから快適性・健康性・経済性の観点から最もお勧めしたい性能はQ値1.5W/m2です。断熱性能をさらに高めれば快適性は向上しますがイニシャルコストとランニングコストのバランスが悪くなり過剰投資となります。またQ値1.5とすることで日射熱だけで快適域を維持できる無暖房住宅化も可能となります。必要な断熱性能(快適性・健康性・経済性)を設定し、その性能を確保できるようプランや造形デザインを整えることで未来に残る長寿命の住宅となることを認識してください。

いままでお話しした内容は東京や神奈川の比較的温暖な地域を想定したものです。同じ地域でも沿岸部と内陸部では2℃程度の温度差がありますし寒冷地や温暖地では事情が変わります。建設する敷地ごとに温度環境が違いますし太陽方位や日射量も違います。ですので敷地ごとに計算で必要な性能を確認する必要があるのです。パッシブデザインに絶対解はありません。地道な作業が不可欠なのです。
【住環境性能+Design住宅 森建築設計】

by morikentiku-mori | 2014-12-29 11:46 | 断熱性能 | Comments(0)
2014年 12月 22日
断熱性能6 健康
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今日は断熱性能解説シリーズの6回目、断熱性能と健康性の関係についてお話します。
寒波の影響で冷え込みが激しいですね。室内の温度低下や乾燥で風邪や喉の痛みを感じている方も多いのではないでしょうか。断熱性能解説シリーズでは、断熱性能と温度の関係や冷暖房費なとについて解説してきましたが、断熱性能と住人の健康性に因果関係があることが分かっています。また脱衣室やトイレの低温度によるヒートショックも問題として認識されているのです。

写真のグラフは健康維持増進住宅の研究の中で断熱性能と健康性の関係について調査した結果です。喉の痛みや喘息、乾燥肌などの疾病のある方が断熱性能の高い住宅に住み替えた場合の疾病改善率を示しています。この調査によると、省エネ等級5(6地域ではQ値2.1W/m2)以上の断熱性能まで高めることで、調査対象とした全ての疾病改善率が上昇していることが分かります。健康性を考えるなら省エネ等級5以上の性能が欲しいです。

ヒートショックに関する調査では、消防庁の調査で年間1万7千人の方々がヒートショックにより死亡しているという報告がなされています。脱衣室など裸になる場所は最低室温を15℃以上に保つ必要があります。理想的には20℃以上です。6地域で非暖房室の室温を15℃以上とするには平成11年告示(次世代省エネ基準)以上の性能が必要です。できれば省エネ等級5(6地域ではQ値2.1W/m2)が欲しいところです。

次回の断熱性能解説は6回分のまとめをお伝えする予定です。
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by morikentiku-mori | 2014-12-22 11:03 | 断熱性能 | Comments(0)
2014年 12月 20日
蓄熱住宅
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開口部面積が大きすぎて断熱性能の低い家になってしまった我が家の環境状況をお伝えしています。今朝6時の外気温は4.6℃、1階寝室13.9℃、2階リビングは13.9℃、別棟事務所9.1℃、夜間10時間の温度低下は外気2.1℃、室内4.2℃でした。

写真は室温シュミレーションを使った真冬の室温変動グラフです。昨日も同じようなグラフをUPしましたが少し折れ線の傾きが緩やかです。昨日との違いは蓄熱量です。外気温の最低は1.0℃、断熱性能や開口部の状況想定は同じですが、古民家などで使われている土壁と同程度の蓄熱量でシュミレーションしたグラフなのです。
昨日のシュミレーションでは15℃~25℃の温度差10℃で自然循環していましたが、温度差10℃は結構大きな変動ですし最高室温25℃って高過ぎますよね。蓄熱量を増やすことで温度変動を緩やかにすることができます。さらに床壁天井の表面温度が上昇し快適性が格段に増すのです。蓄熱量を増したことにより17℃~23℃の範囲で自然循環するというシュミレーション結果となりました。どうでしょうか、この環境なら無暖房状態で過ごせそうですね。

室温シュミレーションは現実との差が大きくそのまま鵜呑みにはできませんが大きな変動状況は把握することができます。蓄熱は下手に使うと空調費が上がってしまうという結果になります。ですが効果的に使うことで究極の快適住宅とすることが可能です。デメリットは施工費の上昇、グラフの蓄熱量とするには最低でも100万円程度の追加投資が必要となります。1坪当たり4万円のUPです。究極の快適住宅を手に入れたい方、是非ご連絡ください。
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by morikentiku-mori | 2014-12-20 08:45 | 断熱性能 | Comments(0)
2014年 12月 19日
無暖房住宅
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今朝5時30分の外気温は0.1℃、1階寝室12.2℃、2階リビングは11.6℃でした。窓の遮熱シート実験も実験方法を変更して継続中なので数日後にお知らせできると思います。

写真は室温シュミレーションを使った真冬の室温変動グラフです。外気温の最低は1.0℃という状況を想定しています。室温シュミレーションは現実との差が大きくそのまま鵜呑みにはできませんが大きな変動状況は把握することができます。シュミレーションでかなり信用できるのは夜間の温度低下です。日差しによる日射取得が無く、内部発熱量を現実の住居人数や電気機器などから計算したうえでシュミレーションを行えば精度の高いものとなります。

今日のブログのタイトルである「無暖房住宅」についてご説明します。折れ線グラフを見て下さい。深夜0時に20℃の室温が朝にかけて低下していくが最低室温15℃以上を保っています。日差しが入り温度上昇し陽が沈み再び室温は下がりますが深夜0時の室温は20℃となっています。無暖房状態で太陽の日差しだけで温度が循環している状態となっています。「晴れが連続している日」という条件がつきますが無暖房で暮らすことが可能となるのです。断熱性能、窓の方向や大きさ、周囲の建物による影や窓の日射侵入率などを調整する必要がありますが十分可能なのです。

日差しによる日射取得がない雨や雪の状況でも無暖房住宅とすることも可能です。住人や家電機器などからの発熱量だけで温度低下がないようにすればよいのですが、建設コストが非常に高い上に日射があるとすぐにオーバーヒートしてしまうので現実的ではありません。
【住環境性能+Design住宅 森建築設計】

by morikentiku-mori | 2014-12-19 12:47 | 断熱性能 | Comments(0)
2014年 12月 15日
断熱性能5 冷暖房費
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築12年、次世代省エネ基準の仕様規定の断熱材を入れたにもかかわらず平成4年基準(Q値3.9W/m2K)となってしまった我が家の室内環境をお伝えしています。
今朝5時30分の室温は11.8℃、外気温は0.9℃、前夜からの温度低下は10時間で室温5.9℃、外気温6.1℃でした。朝5時30分から20℃設定で暖房していますが8時の段階でも15.6℃までしか上がりません。大開口の窓ガラス表面温度は中心で10℃、窓枠が8℃です。暖房室の床表面温度は13℃、壁14℃、天井16℃という状況です。

さて今日は断熱性能解説シリーズの5回目、冷暖房費についてお話します。本格的な冬になり暖房する時間が増えると暖房費が気になりますよね。冷暖房方法は一般的なエアコン、床暖房、石油ストーブ、パネルヒーターなど各家庭によって違います。もっとも多くの家庭で使っているのはヒートポンプエアコンです。そこで、私の事務所がある6地域(東京や神奈川など比較的温暖な地域)での断熱性能とヒートポンプエアコンでの年間冷暖房費の関係を試算しました。写真はその結果を表にしたものです。冷暖房方式は家全体を冷暖房する全館冷暖房と居室だけ冷暖房する部分間欠冷暖房がありますが、写真は部分間欠冷暖房で試算したものです。全館冷暖房の場合はおおよそ表の金額の2倍になります。

試算した金額をもう少し詳しくご説明しましょう。赤枠が2つありますよね。赤枠左は窓方位や窓の大きさ、開閉方法など考慮せずに設計した場合の冷暖房費です。赤枠右は日射取得と日射損失のバランスを考えた窓位置や大きさ、通風方向を考慮した窓位置を開閉方法など省エネ設計した場合の冷暖房費です。同じ断熱性能でも省エネ設計の有無で年間約1.5万円の差があるのです。断熱性能最上段のQ値1.5W/m2Kでは断熱性能向上により夏場の冷房費が上がるため省エネ設計による削減額は1万円となっています。

試算結果を見ると断熱性能が上がると年間冷暖房費が下がることがよく分かりますよね。もっと着目してほしいのは省エネ設計による削減額の大きさです。ハウスメーカーも徐々に高断熱かしてきてはいますが、一般的な基準とされている平成11年告示(次世代省エネ基準・6地域Q値2.7W/m2K)の年間冷暖房費は省エネ設計無しで年間約5万円です。断熱性能をQ値1.5W/m2Kに上げてさらに省エネ設計することで年間冷暖房費は約2万円となります。年間冷暖房費が3万円削減できるのですから10年で30万円、30年で90万円の削減額になります。12月8日のブログ(断熱性能とコストの関係)を読み直してもらえば目指すべき方向性がよく分かると思います。断熱性能の向上と自然エネルギーを有効活用する省エネ設計により、快適性能は格段に向上し財布にも優しい住宅になるのです。

次回の断熱性能解説は断熱性能と健康性についてお話する予定です。
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by morikentiku-mori | 2014-12-15 08:37 | 断熱性能 | Comments(0)
2014年 12月 08日
断熱性能4 コスト

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12年前に建設した次世代省エネ基準の仕様規定断熱材を入れたにもかかわらず開口部面積が大きすぎてQ値3.9W/ m2Kとなってしまった我が家の温度環境を日々お伝えしています。
今朝7時にはすでに暖房していたので朝5時30分の状況です。外気温4.8℃、室内温度13.3℃、湿度57%。窓は朝7時の暖房時のもの、窓ガラス上部11℃・ガラス下部10℃、窓枠上部10℃、下部10℃でした。

さて今日は暖房性能シリーズの4回目、暖房性能の違いと建設費の関係についてお話しします。
写真は東京や神奈川など比較的温暖な地域での断熱工事に関わるコスト差を示しています。現在一般的な基準とされている平成11年告示(次世代省エネ基準)Q値2.7W/m2を基準として、Q値2.1W/m2Kに上げるには30万円のUP、Q値1.5W/m2Kに上げるには80万円のUPとなります。この金額を聞いて意外に安い(低い)と感じる方も多いのではないでしょうか。設計者の中にも断熱性能を上げるには大きな費用が必要と思っているこ人が多くて、この額をお話しすると「えっ、そんな額で出来るんですか」という言葉をよく聞きます。

住宅1軒の工事費のうちで30万や80万円ですよ。快適性が格段に変わるのだから余りある投資だと私は感じます。
ではどのような仕様にすればこの額で断熱性能を上げられるのかをご説明します。まずは基準となる平成11年告示(次世代省エネ基準)ですがこの基準を満たすには2つの方法があります。一つは計算で断熱性能を確かめる方法、もう一つは仕様規定で定められた断熱材の種類と厚みや窓仕様を守れば基準を満たしたとみなされる方法です。2020年に計算による確認が義務付けられるのですが、計算せずに仕様規定を標準としている設計者や工務店がとても多いです(私の実感だと9割の方は計算していない)。6地域の平成11年告示(次世代省エネ基準)のQ値は2.7W/m2kですが、仕様規定度通りの仕様で作った住宅のほとんどは計算してみるとQ値2.4W/m2K程度になります。断熱性能は開口面積で大きく変わりますし、断熱施工不備などによる欠損もあるので国も安全率を考えて仕様規定を定めているのです。一般的な住宅の開口部面積は床面積の15%程度ですが、これを30%程度まで上げていけばようやくQ値2.7W/m2kとなるのです。

表の工事費差額は平成11年告示(次世代省エネ基準)の仕様規定(高性能グラスウール)で開口部面積15%を基準とした金額差なのです。
平成11年告示(次世代省エネ基準)6地域の断熱仕様は高性能グラスウールだと壁90ミリ・屋根185ミリ(又は天井160ミリ)、アルミサッシ複層ガラスです。この仕様で断熱欠損の内容な確実な施工をすればQ値2.4W/m2kとなります。
次にQ値2.1W/m2Kです。断熱材を壁100ミリに上げるのと窓をアルミ樹脂Low-E複層ガラスに上げるだけで達成できるので30万円のコストUPで実現できます。
さらにQ値1.5W/m2kは断熱材を壁100ミリ・屋根200ミリ・樹脂サッシLow-Eアルゴンガス注入複層ガラスとし、24時間換気を熱交換型(壁付けの安価なタイプ)にすることで実現できコストUPは平成11年告示(次世代省エネ基準)から80万円のUPとなります。

どうでしょうか、断熱性能とコストの関係を理解いただけましたでしょうか。上記コストは最もコストパフォーマンスの高い高性能グラスウールで試算したのものなので、他の断熱材を使った場合は差額が大きくなります。次回の断熱性能解説は住居時の空調費についてお話しする予定です。

【住環境性能+Design住宅 森建築設計】



by morikentiku-mori | 2014-12-08 10:02 | 断熱性能 | Comments(0)
2014年 12月 05日
断熱性能3 早朝の室温
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12年前に建設した次世代省エネ基準の仕様規定断熱材を入れたにもかかわらず開口部面積が大きすぎてQ値3.9W/ m2Kとなってしまった我が家の温度環境を日々お伝えしています。
今朝6時の状況です。外気温6.4℃、室内温度15.4℃、湿度63%、北側窓ガラス表面温度上部12℃・下部11℃、窓枠表面温度上部11℃・下部11℃でした。

さて今日は断熱性能解説の3回目、断熱性能と早朝の室温についてお話しします。関東地方は寒波の影響でこの冬一番の寒さになっていて早朝の室温が身に凍みますよね。いまお住いの住宅との比較もできるので身近な問題として実感できるのではないでしょうか。
写真は東京や神奈川の比較的温暖な地域の前夜から明朝までの温度低下を示しています。外気最低気温は3℃、一般的な蓄熱容量という設定条件でシュミレーションしたものです。外気温3℃で検討したのは最低気温が3℃以下となるのは一冬で3割しかないからです。最低気温が3℃以下となる日は写真のシュミレーション温度よりさらに早朝の温度が下がることになります。

点線で囲んでいる平成11年告示(次世代省エネ基準)の断熱性能は現在一般的となっている性能で、断熱性能Q値は2.7W/m2K(6地域)になります。Q値2.7の断熱性能のとき前夜から明朝までの温度低下は9℃、前夜20℃から明朝11℃まで室温が下がると読み取ってください。平成4年(新省エネ基準)はQ値4.2で温度低下は11℃、断熱性能をQ値2.1に上げると温度低下7℃、Q値1.5なら温度低下は5℃と断熱性能を上げれば温度低下が小さくなり明朝の室温が高くなるのです。このシュミレーションはあくまで想定した条件で算出したものなのでQ値と早朝の室温を決定づけるものではありません。住居人数や窓のカーテンの開閉状態でも変わりますし最低気温3℃までの変動状況でも変わります。断熱性能Q値の性能差として理解してください。

話を現在一般的となっている平成11年告示(次世代省エネ基準)に戻しましょう。外気最低気温が3℃の条件で早朝室温が11℃です。11℃って結構寒いですよね。朝から暖房ガンガンに効かせなければいけないことでしょう。私はもう少し断熱性能を上げたいなと感じてしまいますが皆さんはどうでしょうか。断熱性能解説、次回は断熱性能とイニシャルコスト(工事費)についてお話しする予定です。
【住環境性能+Design住宅 森建築設計】

by morikentiku-mori | 2014-12-05 06:32 | 断熱性能 | Comments(0)
2014年 11月 28日
断熱性能 2 暖房室と非暖房室の温度差
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今朝7時の外気温10.8℃、室内温度17.3℃、北側窓ガラス上部14℃・下部12℃、窓枠上部13℃、下部11℃。

さて、今日は断熱性能と室内温度の関係、暖房室と非暖房室の温度関係についてお話しします。
写真を見て下さい、左側の大きな矢印は東京や神奈川の比較的温暖な地域(6地域)の断熱基準を示しています。これは「断熱性能1」でお話ししましたね。2020年に義務化される断熱基準は平成11年告示(次世代省エネ基準)でQ値は2.7W/ m2Kになります。

断熱性能Q値の意味も「断熱性能1」でお話ししましたが、おそらく一般の方には直感的に意味を理解することはできないことでしょう。そこで今日は暖房室と非暖房室の温度差という関係で断熱性能を解説します。東京や神奈川でお住いの住宅は人が居る居室だけ冷暖房して人が居ない部屋は無暖房の状態で暮らしている住宅がほとんどです。この冷暖房方式を部分間欠冷暖房と言います。これに対し人が居ない部屋や廊下なども含め家中すべて冷暖房するシステムを全館冷暖房jといいます。全館冷暖房の場合は部屋の温度はどこも均一化されますが、部分間欠冷暖房では冷暖房している部屋としていない場所は温度差が生じますよね。この温度差を表示したものが写真の四角の中の温度です。この温度差は私が所属している自立循環型住宅研究会で数百の事例を実測調査した結果導きだされたものです。実際には家の大きさや暖房室面積割合、居住人数などにより上下しますが、同じ条件であれば四角内の温度差になるという断熱性能の性能差とお考えください。

例えば平成11年告示(次世代省エネ基準)の家では暖房室と非暖房室の温度差は5℃程度、暖房室が20℃だった場合には非暖房室は15℃程度になることが分かります。非暖房室とは人が居ない寝室や廊下、洗面脱衣室やトイレになります。暖房している部屋から廊下へ出てトイレに入った時に寒くて凍えるなんて状況ではとても不快ですしヒートショックの原因にもなってしまいます。非暖房室はいくら寒くても15℃は欲しいと考えれば平成11年告示(次世代省エネ基準)が最低基準であることは理解できます。私は寒がりなので15℃でも寒いと感じるのでもう少し断熱性能を上げたいと思いますが、皆さんはいかがでしょうか?

次回の断熱性能解説では早朝の室温についてお話する予定です。
【住環境性能+Design住宅 森建築設計】

by morikentiku-mori | 2014-11-28 15:29 | 断熱性能 | Comments(0)
2014年 11月 27日
断熱性能 1
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今日から室内外温度等を記録していきます。本日朝7時の温度状況、12年前に建設した次世代省エネ基準仕様規定の断熱仕様でありながらQ値4.0という低性能住宅の実情です。
外気温7.8℃、室内温度17.2℃、窓ガラス表面温度上部14℃・下部12℃、窓枠表面温度上部13℃・下部11℃

さてもう一つ、本日から不定期ではありますが断熱性能や気密性能などについて解説するシリーズも始めます。熱の特性や快適環境について10年間勉強してきた知識を一般の方にも分かり易く解説します。
今日は断熱性能Q値(W/m2K)の変遷についてお伝えしましょう。

最初にQ値の基礎知識です。Q値はW/m2Kの単位を見るとその意味がよく分かります。Wは熱の移動、仕事量です。m2は床面積、Kはケルビンで温度を示します。内外温度差が1度のとき、床面積1m2当たりの熱の損失量がQ値です。例えばQ値2.0の性能は、延床面積100m2で内外温度差10℃の場合、2.0×100×10=2000Wの熱損失量であることが分かるのです。

写真をご覧ください。東京や神奈川の比較的温暖な6地域のQ値を示しています。平成4年告示(新省エネ基準)の4.2W/m2Kから平成11年告示(次世代省エネ基準)2.7W/m2K、さらに私が最低基準としているQ値2.1W/m2K、私がお勧めしているQ値1.5W/m2Kと段階的に性能UPしています。よく長期優良住宅という言葉をお聞きすると思いますが、長期優良住宅は平成11年告示(次世代省エネ基準)の性能を満たせば認定取得可能です。2020年に義務化される断熱性能もこの平成11年告示(次世代省エネ基準)の団円継性能を満たせばよいことになる予定です。またQ値1.0を超える超高性能住宅も建設可能です。

国が定めた基準だからそれを守っていればいいのか?
Q値は高ければ高いほどよいのか?
次回から詳しく解説していきます。
【住環境性能+Design住宅 森建築設計】

by morikentiku-mori | 2014-11-27 09:55 | 断熱性能 | Comments(0)