2015年 01月 11日
断熱材施設不備の衝撃
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写真はリフォーム中の断熱材施設後の現場写真です。新築の現場では見ることのできない袋入り断熱材の裏側を撮影したものです。さて、この写真には断熱欠損につながる大きな問題点があるのですが分かりますでしょうか?


私はこの光景を見てショックのあまり数秒間動くことができませんでした。断熱材施設不備の大きな問題は三つ。一つ目は各断熱材の両サイドが丸まり空洞になっていること。二つ目は断熱材上部の梁との隙間、三つ目は縦方向の断熱材の継ぎ目が重なり空洞になっていることです。特に大きな断熱欠損になるのは各断熱材両サイドの縦方向の空洞と断熱材上部の隙間です。縦方向の空洞の空気が対流を起こし熱損失となる事に加え、空洞部分の外壁側の下地板が冷やされ壁内結露リスクが大きく高まってしまいます。隙間なく断熱材を施設した状態と比較すると断熱性能は50%以下になってしまうのです。

日本では寒冷地を除き袋入りグラスウールで断熱する方法が一般的です。袋入り断熱材の施工マニュアルでは断熱材の両サイドを両手で押えながら柱間に隙間なく施設するとされていますがマニュアル通り施工している現場がどれくらいあるのか。断熱材の施工工程から考えて施工会社の管理者も設計監理者も断熱材施設後の室内側を目視確認することしかできません。施工中の現場は内外温度差があまりないのでサーモグラフィーで発見することも困難です。(日射が当たる面ならサーモグラフィーで発見できる可能性あり)

この現場はたままた裏側を見ることができたので裏側の袋をカットして空洞を無くすことができましあが、日本全国で発生しているであろう断熱不備を考えると恐ろしくなりました。確かな断熱材施工を行うにはやはり袋入りグラスウールは限界があります。裸のグラスウールにするかセルロースファイバーに変更するなど根本的な改革が必要だと感じました。実は袋入りグラスウールは日本特有の製品です。断熱材施設の知識のない大工さんでも不備なく施工できるような製品の開発を断熱材メーカーにもお願いしたいものです。
【住環境性能+Design住宅 森建築設計】

by morikentiku-mori | 2015-01-11 08:57 | Diary | Comments(0)


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