カテゴリ:本の家( 14 )

2018年 03月 04日
本の家 温湿度測定結果
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昨年5月に完成した「本の家」に温湿度データロガーを置かせたもらい2月の一か月間温湿度を測定しました。
その測定結果をグラフにしたのでお伝えします。

(1)住宅の基本性能です。
所在地:神奈川県逗子市
天井断熱:高性能GW16K 厚155
壁断熱 :高性能GW16K 厚105、外張り付加断熱 押出法ポリスチレン2種 厚15
床断熱 :押出法ポリスチレン3種b 厚65(合板上に敷き詰め)
Q値:1.67W/㎡K
Ua値:0.43W/㎡K
ηCA値:1.3
ηHA値:2.7

(2)設計時の温度趣味レーション、光熱費趣味レーション
暖房室と非暖房室の温度差:6℃
明け方の自然室温(外気温との温度差):13.2℃
2月のガス使用量:38.9㎥
2月の電気使用量:438Kwh

(3)温度測定結果分析
グラフ化した測定日は2月4日~5日の二日間です。
グラフは設置させてもらった2台の温湿度データロガーと、建て主様が購入して設置していたウェザーステーションの測定結果をグラフ化したものです。一番上の2重線は1階玄関ホールの温度で、データロガーとウェザーステーションを同じ場所に置いたのでほぼ同じ結果になっています。1階ホールといってもリビングダイニングと一体空間なので1階居室と考えてください。その下の2階ホールは階段を上がった洗濯物干し場に設置したウェザーステーションの結果です。1階ホールと2階ホールは階段室で連続した一体空間となっています。その下、緑色の線は1階納戸に設置したデータロガーの結果です。最下段の外気温は外部ウェザーステーションの測定結果です。日中の一時直射日光が当たる場所に設置してあったのでおひる前後の温度がぐっと上がっています。夏の測定に備えて直射日光が当たらない場所に移動してもらうように頼んできました。

さて、測定結果分析です。
暖房室と非暖房室の温度差:暖房稼働時 8℃、暖房休止時 3℃
1階ホールと1階納戸の温度差になります。エアコンの温度設定は23℃で稼働されていました。
2階ホールと1階納戸の温度差で見ると綺麗に3℃を示しています。2階ホールのお昼過ぎに温度がピョコンと上がっているのは日射取得に自然に上昇している結果です。設計時は暖房稼働時の温度差6℃の趣味レーションでしたが設計時のエアコン温度設定は20℃だったため、運用時の設定温度23℃ということから温度差が広がっています。

明け方の自然室温(外気温との温度差):15℃(外気温と1階ホール)
設計時の温度差シュミレーションは13.2℃でしたのでシュミレーションよりも良好な結果となりました。外気温が0℃を下回らない外気温ならば居室室温は15℃以上を保っているという結果です。今年は0℃以下の日が連続したので今冬のような環境だともう一段性能を上げておく必要があるようです。

(4)2月の光熱費結果
ガス使用量:38㎥
電気使用量:413kWh
シュミレーションよりも少し低い(良い)という結果でした。

築設計 森健一郎
http://moriken.p1.bindsite.jp/


by morikentiku-mori | 2018-03-04 10:02 | 本の家
2018年 02月 11日
本の家 温度湿度測定
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1月から寒い日が続き、大雪も降りと今年の冬は例年以上に寒いですね。
写真は昨年5月に竣工した「本の家」に置かせてもらっているデータを保存できる温湿度計です。
写真中央の小さなディスプレイに15.7と表示されている機械が私が持ち込んだ温湿度計、その左側の円筒形の機械は建て主様が設置されていた温湿度計です。

あっそうそう、データを保存できる専門的な温湿度計のことをデータロガーと言います。
なんとこのお施主さんは私が機械を設置する前にご自分でデータロガーを設置していたのです。
この円筒形の機械はウェザーステーションといいまして、私も自宅で使っているものと同じ機械です。設置された家のWiFiを通じてデータがサーバーに保存され、ネットが繋がっている環境であればスマホでも自宅の温湿度環境を見ることができます。
しかもこの機会は温湿度だけではなく二酸化炭素濃度と騒音値も測定できるので換気のタイミングなども知ることができます。

さて、私が設置させてもらったデータロガーは2月1日から1か月間おかせてもらい、その後回収してデータを分析いたします。
設計しているときに趣味レーションした温度状況と実際の違い、また想定した光熱費(消費エネルギー量)と実際の違いを確かめ、建て主様へ暮らし方アドバイスをしたり今後の設計の参考とさせてもらいます。
 
森建築設計 森健一郎



by morikentiku-mori | 2018-02-11 14:13 | 本の家
2018年 02月 11日
本の家 温度湿度測定
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1月から寒い日が続き、大雪も降りと今年の冬は例年以上に寒いですね。
写真は昨年5月に竣工した「本の家」に置かせてもらっているデータを保存できる温湿度計です。
写真中央の小さなディスプレイに15.7と表示されている機械が私が持ち込んだ温湿度計、その左側の円筒形の機械は建て主様が設置されていた温湿度計です。

あっそうそう、データを保存できる専門的な温湿度計のことをデータロガーと言います。
なんとこのお施主さんは私が機械を設置する前にご自分でデータロガーを設置していたのです。
この円筒形の機械はウェザーステーションといいまして、私も自宅で使っているものと同じ機械です。設置された家のWiFiを通じてデータがサーバーに保存され、ネットが繋がっている環境であればスマホでも自宅の温湿度環境を見ることができます。
しかもこの機会は温湿度だけではなく二酸化炭素濃度と騒音値も測定できるので換気のタイミングなども知ることができます。

さて、私が設置させてもらったデータロガーは2月1日から1か月間おかせてもらい、その後回収してデータを分析いたします。
設計しているときに趣味レーションした温度状況と実際の違い、また想定した光熱費(消費エネルギー量)と実際の違いを確かめ、建て主様へ暮らし方アドバイスをしたり今後の設計の参考とさせてもらいます。
 
森建築設計 森健一郎



by morikentiku-mori | 2018-02-11 14:13 | 本の家
2017年 10月 06日
本の家 ホームページ更新
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ホームページを若干更新しました。
長らく放置してしまっていたのですが、近年竣工した事例を更新しました。

今日から数日に分けて更新した事例を紹介いたします。
さて今日は逗子市で今年竣工した大規模リノベーションを紹介します。この計画は柱と梁を残して既存部分を撤去して、建物の1/5ほどを減築しながら大きな南面窓を設け、膨大な蔵書をすべて収納したいという建て主の願いを叶えたリノベーション事例です。計画名称の「本の家」は50m2もの面積の本棚から名づけられたものです。

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2枚目の写真は完成後の外観写真です。中央の白い外壁部分が真南向いています。この大きな窓から冬の日射をたっぷりと取り込むことができます。既存住宅の外壁面は両サイドの南西を向いた面だったところを減築しながら南面窓を作り出しました。
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次に紹介する写真は1階ホールと居間部分になります。南面する窓から入った太陽光を半透明床を通して1階へ導きました。計画敷地は南東側にある山の影響で冬季の午前中から午後1時まで1階窓にまったく光が入りません。そこで1階の高窓と2階窓からの光を1階に導くことで柔らかな光につつまれた1階居室を実現しました。
光は1階に降りてきますが冬季の日射熱は2階に溜まってしまいます。そこで2階の空気を1階に送風し空気温度を中和するシステムも導入しています。

最後にこの計画の温熱性能とエネルギー性能試算値を紹介しましょう。
・外皮平均熱還流率 Ua値0.42W/m2K
・熱損失係数 Q値1.66W/m2K
・冷房季平均日射熱取得率 ηca値1.3
・暖房季平均日射熱取得率 ηha値2.6
・エネルギー性能 59.16GJ
・年間ランニングコスト 145000円
・木造2階建て 延床面積97.72m2

ここに紹介した竣工写真以外にも多数の写真を下のホームページアドレスで紹介していますので是非ご覧ください。
http://moriken.p1.bindsite.jp/news/201501.html

【太陽と風と人の五感に素直な建築 森建築設計】



by morikentiku-mori | 2017-10-06 09:37 | 本の家
2017年 04月 19日
本の家 竣工写真撮影
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昨日は逗子市で完工した「本の家」の竣工写真撮影をしてもらいました。
カメラを覘きこんでいるのが撮影してくれたカメラマン、株式会社AP PHOTO CREATIVEの中村風詩人さんです。
http://apphotos.net/
約半年前に「新高円寺の賃貸併用住宅」を撮影してもらってから2件目の撮影依頼になります。なんと中村さんは年数回も小笠原へ撮影旅行(仕事ですね)に行っているという人なのです。私も小笠原のプロジェクトが3件同時に進んていることから何か運命を感じてしまいます。小笠原のプロジェクトも撮影してねとお願いしています。

さて、私は中村さんが撮影してくれている間に撮影の邪魔にならないように最終確認をしてきました。扉の開閉不良はないか、照明器具の点灯不具合や換気扇の不具合はないか、仕上げの不具合はないかなどじっくり確認してきました。工務店の監督さんも少し現場へ寄ってくれたので3点ほど是正依頼いたしました。

中村さんの撮影してくれた写真を撮影後にカメラのディスプレイで確認させてもらったところ、とてもいい写真となっているようですよ。竣工写真データが届いたらフェイスブックページなどで公開しますので楽しみにしていてください。
【太陽と風と人の五感に素直な建築 森建築設計】

by morikentiku-mori | 2017-04-19 18:08 | 本の家
2017年 04月 09日
光を通す半透明の床
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先週は「本の家」の設計事務所検査をしてきました。
大工工事、仕上げ工事が完了し照明器具もほとんど設置された状態での確認です。工事として先週末にクリーニング、今週前半で外構の残り工事を行って完了する予定です。その後、竣工写真撮影を行い来週中ごろお引渡し予定です。本棚工事も完了し改めて見てみるとものすごい量の本棚です。階段の長手方向全面、2階ホール全面、書斎長手方向2面全面すべて本棚になりました。

今日は本棚の紹介ではなく2階窓から入った太陽の光を1階へ導く床のお話しです。計画敷地は南東方向に山があり冬季は1階が影になってしまいます。そこで2階に大きな窓を設けて2階からは行った太陽光を1階へ導く半透明の床を設けました。写真はアクリル板の上に乗っていた養生シートを一部剥がして撮影したものです。白部分がシートを剥がして範囲ですね。アクリル板は光は通しますが熱は通しません。1階と2階の温度安定対策として2階に溜まった熱気を中間ダクトファンという換気扇で1階へ送風する設備を設けています。

養生シートを全部剥がすとどのような天井になるのか楽しみです。
【太陽と風と人の五感に素直な建築 森建築設計】

by morikentiku-mori | 2017-04-09 18:27 | 本の家
2017年 03月 03日
本の家 大工家具工事施工中
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いま小笠原出張中です。小笠原の最高気温は21度、最低気温16度ととても過ごしやすい気候です。小笠原ペンション計画、小笠原住宅計画、小笠原シェアハウス計画の3件の現場監理と連れてきた大工さんのと島の職人さんとの顔合わせなど行っています。明日小笠原出航、明後日5日竹芝着の船で帰ります。

さて、「本の家」は内部の大工家具工事造作中です。といっても現場監理にいったときの話(2月25日)なので今週で大工工事は完了します。
この本の家、大量の蔵書のためにマンションを一室借りていたほどの建て主様が本を全て収納できる健康住宅(カビに悩まされていた)を建てたいとのことでスタートしたプロジェクトです。

写真はいつも掲載している外観写真とは別アングルのもの。青空と緑を背景に建物が良く映えます。中央の大窓面を真南に向けて日射取得と日射遮蔽を効果的に行うことで山に遮られた1階ではなく2階から明るくて暖かい陽の光を取り入れる計画となっています。

次回の「本の家」ブログでは内部大工工事完了後の写真をお見せできるでしょう!!

【太陽と風と人の五感に素直な建築 森建築設計】

by morikentiku-mori | 2017-03-03 06:57 | 本の家
2017年 02月 15日
本の家 外足場が外れました
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逗子市で建築中の「本の家」は外足場が外れました。

南西面の外壁は杉板張りとなっていて2階中央の壁面だけ白塗装しています。とても綺麗な仕上がりです!!

さてこの壁面微妙に角度が変わってますよね。
両サイドは敷地形状に素直な角度で、中央は南面に直角な方向に傾けています。そして中央2階の大窓から入射する太陽光を採光と熱という性能に分けて利用しています。
明るさを生む光は半透明の床を通して1階の部屋奥深くまで明るく照らしてくれます。
熱は半透明の床を通過しませんので2階の空気だけが暖まり天井付近に溜まります。その暖まった空気を中間ダクトファンで強制的に1階に吹き出す設備を設けます。写真撮影した現場監理では電機屋さんにも来てもらって設置する中間ダクトファンの種類と吹き出し口の位置を決定してきました。

南側にある山の影響で1階壁面に太陽光が当たらない計画敷地で考えたデザインです。
本当のデザインは意匠的な姿形と性能が融合するのです。

【太陽と風と人の五感に素直な建築 森建築設計】

by morikentiku-mori | 2017-02-15 20:33 | 本の家
2016年 12月 20日
隙間の無い床断熱

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逗子市で建築中の「本の家」の工事は断熱工事に入っています。今日は1階床の断熱と気密についてお話しします。

写真は今回初めて採用した断熱敷き詰め工法です。ってそんな工法は聞いたことはないでしょう。床下からの隙間風とヒートブリッジを防ぐために私が考えた断熱化工法です。

新築の場合は土台の上に厚合板を敷き込んで一定の通気性能が出るのですがリフォームの場合は床の不陸調整もあり床根太で高さ調整をしながら下地を作ることになります。すると土台と下地合板の間に隙間が生まれ床下の隙間風が流入しやすくなってしまいます。また一般的な根太間に断熱材を嵌めこむ工法では根太と断熱材の隙間が生じてヒートブリッジが大きくなるという欠点があります。隙間風の流入とヒートブリッジにより断熱材を厚くしても床際の温度が下がり不快な状況が生まれてしまうのです。

そこで考えたのが「断熱材敷き詰め工法」です。高さ調整をした根太の上に下地合板を張り。その上に透湿防水シートを敷き詰め、さらに厚さ65mmの断熱材を隙間なく敷き詰めました。断熱材の上の合板は外張り断熱用のビスで固定することで床の沈み込みを防いでいます。この工法では重い設備や荷物が乗る床は沈んでしまうので部分的に根太を入れて沈み込みを防止しました。

もう一つ、壁の中に流入する床下からの通気止めも重要です。

断熱や気密の概念があまりなかった昔の住宅は壁のコンセントプレートを外すと風がピューピューと吹き込んでいるのが分かりました。これは床下の風が壁に流れ込んでいることが原因で、結果として壁の表面温度が下がり結露やカビの原因にもなってきました。ですので壁の中に流入する空気の通気止がとても重要なのです。
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上の写真は壁の下に断熱材を詰め込んで気密シートで覆い、柱際を気密テープ張りしてもらったものです。
同様の作業を外周部の壁下にも行ってもらうことで床下からの空気の流入を防げるのです。断熱材を気密シートを外側にして折りたただものを詰め込む方法もあります。

【太陽と風と人の五感に素直な建築 森建築設計】

by morikentiku-mori | 2016-12-20 13:13 | 本の家
2016年 12月 08日
本の家 サッシ取付完了しました
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久しぶりに「本の家」に関する情報です。
逗子市で建設中の「本の家」は本の保管の為にマンションを1室借りるほどの多くの本を所蔵されている建て主様の住宅です。ほぼ無断熱のような状態でカビにも悩まされてきたことから断熱性能と換気性能を高め、2階南面窓からの陽ざしで家全体を暖める工夫を凝らした住宅です。

現場の状況はサッシと外壁下地板の設置が完了し、いま付加断熱の外張り断熱材を敷設しているところです。内部は構造体が露わになった状態で、2階の南面する大きな窓から差し込む陽ざしがとても美しい光の筋が1階まで達していました。いつも感じる事ですが、木造軸組み住宅の仕上げ前の状態はとても力強く美しい!!

さて「本の家」の計画についてもう少しご説明しましょう。写真左側の1階が玄関ホール兼ダイニングスペース、その真上の2階が大きなホール(洗濯物干場)になっていて、ホール真南面にある大きなサッシから陽ざしを取り込み、半透明の床を通してその光が1階を照らしてくれるという計画です。半透明の床は光は通しますが熱は通さないので当然2階だけ室温が上がってきます。2階の暖まった空気をファンで1階へ送風して1階も温めるという設備的な計画により、1階と2階の温度差を平均化します。夏季と中間期に重要な換気量は計算で必要量を確保できるよう計算で確認しています。壁面窓だけでは不足する換気をトップライトを1ヶ所設置しました。

計画敷地は東側に山があり冬の朝日は入りません。昨日現場へ行ったのは午前10時、設計時に検討したとおり真冬でも朝10時から直射光が入射することも確認できました。この陽ざしが午後3時まで家を明るく暖かく照らしてくれます。
【太陽と風と人の五感に素直な建築 森建築設計】

by morikentiku-mori | 2016-12-08 08:53 | 本の家